子供用布団はいつまで使える?

子供用布団がいつまで使えるか、サイズごとに分けて詳しくご紹介していきましょう。一般的に「子供用布団」と呼ばれるものには、ミニサイズと普通サイズの2種類がありますが、実は、子供用布団をいつまで使うかという明確な使用期間はありません。

そもそも子供用布団は子供の安全や健やかな成長を促すために、体のサイズに合わせて大きさや構造を調整した寝具。子供の成長には個人差が大きく、寝心地の好みもさまざまなため、期間を決めるのは難しいのです。

ご家庭では今回ご紹介する期間を目安に、子供の成長にあわせて買い替えを検討するといいでしょう。

ミニサイズは1~2歳まで

ミニサイズの子供用布団は「ベビー布団」とも呼ばれていて、次のサイズが標準です。

敷布団:60cm×90cm大
掛布団:80cm×100cm大

ミニサイズは一般的に赤ちゃん用で、長い期間使用するのには向いていません。おおむね1歳~2歳位までの子供が使うことを想定して作られていると考えましょう。ただし子供によっては2歳前にサイズアウトすることもあれば、逆に3歳を過ぎても充分使えるケースもあってさまざまです

子供の体の成長や寝ているときの様子を見て、買い替えを検討するといいでしょう。子供の手足が布団からはみ出している、寝がえりをしたときに転がり出てしまうなら、そろそろミニサイズの子供用布団は買い替え時です。

普通サイズは3~4歳まで

普通サイズの子供用布団は「キッズ布団」とも呼ばれていて、次のサイズが標準です。

敷布団:70cm×120cm大
掛布団:105cm×130cm大

普通サイズはいわゆる赤ちゃん期を脱した幼児用で、3歳~4歳位までの子供の体にあわせて作られているものの、身長が100cmまでなら布団からはみ出すことはありません。

普通サイズの子供用布団を買い替えるタイミングの考え方は、ミニサイズと同じです。子供の手足が布団からはみ出すようになり、頻繁に寝がえりを繰り返して布団がはだけるようになったら、買い替えを検討してください。

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子供用の布団が必要な理由

子供用布団を必要とする理由や、メリットをご紹介していきましょう。

子供用布団はいつまでも使えるものではないため、大人と同じ布団でかまわないという考え方もありますが、子供の体は大人とは特徴が違います。買い替えの手間はかかっても、子供用布団を選んでおくほうが安心です。

背骨や筋肉が未発達なため

子供用布団が必要な理由の第一に挙げられるのは、子供の背骨や筋肉などが未発達で、健全な成長のためには寝具で特別なケアが必要だからです。そもそも布団は、寝ている人の体を柔らかく受け止め、背骨を支えて、熟睡をサポートするもの。大人の重い体重を支えるだけの厚みがある大人用布団は、赤ちゃんには柔らかすぎます。

その結果小さな体は大きな頭を支えることができなくなり、背骨が歪んで熟睡できず、骨格や筋肉の成長を妨げてしまうかもしれません。これに対して子供用布団は適切な硬さがあり、サイズも厚みも子供の体格にあわせて調整されているため、健やかな発達を促します。

睡眠リズムを安定させるため

子供用布団が必要な理由として、子供の成長に欠かせない睡眠のリズムを安定させるということも挙げられます。「寝る子は育つ」というように、子供の成長にとって睡眠は非常に重要。大人と一緒に寝ていると体温の相乗効果で布団内部が熱くなり、寝汗でムレて、子供は寝苦しさから熟睡できません。

また大人の寝返りの振動で目が覚めてしまうこともありますし、大人の体が邪魔になって子供が自由に寝返りできないのは困りもの。寝返りによる体位変換は熟睡に欠かせませんから、のびのびと寝返りできるよう、専用の子供用布団を使うのがベストです。

事故を防止するため

子供用布団の必要性を考える上で一番重要なのは、万が一の事故防止でしょう。乳幼児は自発的に体を動かすことができないもの。大人が普段何気なく使っている布団が、小さな子供にとっては脅威になる可能性は否定できません。

乳幼児の事故で一番多いのは窒息で、その原因の中でも寝具が大きな割合を占めています。大人用布団は子供の体が沈みすぎ、口や鼻が布団で覆われるリスクがあって大変危険。その点、子供用布団はうつ伏せ寝でも沈まないように硬さや薄さに配慮されているため、安全性は高いといえます。

成長して自発的に手足を動かせるようになっても、大人用の布団は重く、苦しくなっても小さな子供が振り払うのは難しいもの。これに対して子供用布団は中綿を減らして、軽い素材を採用しています。小さな体には子供用布団を使ったほうが負担は少なく、パパやママも安心です。

お手入れが簡単なため

サイズが小さく軽めに作られている子供用布団は上げ下げがしやすく、お手入れがしやすいのも家庭にとって嬉しいポイントです。大きな大人用布団は重くて扱いにくく、ケアがおろそかになりがち。湿気った布団にはカビやダニが繁殖するリスクも高く、免疫力や抵抗力とも弱い子供には好ましくありません。

子供は体温調節機能が未熟で、皮膚の感染も未発達なため、大人以上に汗っかき。新陳代謝も活発で、寝ているときは冬でも布団がびっしょりと濡れるほどの寝汗をかきます。そのためこまめな天日干しやお手入れが欠かせませんが、子供用布団なら軽くて扱いやすく、天日干しやシーツの交換、洗濯も簡単。家庭でも気軽に衛生的に管理が可能です。

大人用布団は厚みがあるぶん保温性が高く、子供の寝汗が増えて寝苦しいもの。子供用布団は通気性が良い素材を使っているため、暑い季節でもしっかり熟睡できるでしょう。

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子供用布団の卒業後

子供用布団が小さくなるほど子供が成長すれば、子供用布団は卒業です。次に使う布団としては、ジュニア用の布団または大人用の布団のいずれかとなることがほとんどです。

それぞれ、どのようなメリット・デメリットがあるのか見てみましょう。

ジュニア用の布団を使用

ジュニア用の布団は、大人用の布団より小さい90×180cm程度の大きさですが、ほかにもさまざまなサイズが「ジュニア用布団」として販売されています。一般的には小学校5~6年生程度まで対応でき、子供用布団に比べて長く使えるのがメリット。

子供用布団と同じく洗いやすい仕様であることが多いため、おねしょや嘔吐、汗などの汚れにも安心です。また、大人用布団よりコンパクトであるため、洗ったり干したりが簡単・収納しやすいというメリットもあります。

一方で、需要が少ないためか、子供用布団や大人用布団に比べて種類が少ない傾向が見られます。そのため、洗い替え用のカバーなども選びにくいことが多いようです。

大人に比べてまだまだ布団を汚すことが多いため、カバーを選びにくいのはデメリットといえるでしょう。大人用布団の方が、機能的にも価格的にも選択肢が広いのです。

大人用の布団を使用

前述のジュニア用布団は小学校5~6年生まで使えるとされていますが、この頃の年齢の子供の成長は、個人差が著しいものです。そのため、大柄な子供の場合は、大人用布団を選ぶほうをおすすめします。

また、購入を検討する時点で「大人用布団では大きすぎるだろう」と思えても、寝ている間も活発に動き回る子供にとっては大きいほうが安心です。さらに、大人用布団を購入しておけば、大人になってからもそのまま使うことができるため、経済的なメリットもあります。

ただし、大人用布団は洗えないものも多いです。また、洗えるものを選んだ場合でも、大人用布団を洗濯するのは手間も費用もかかるものです。洗えない大人用布団を使う場合は、おねしょや嘔吐などで汚れやすい低年齢時の間は、防水シートを敷くなどの対策をとることをおすすめします。

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背骨への影響に注意して布団を選ぼう

骨が未発達の小さい子供にとって、布団は発育に大きな影響を与える重要なアイテムのひとつ。子供の布団を選ぶもっとも大切なポイントは、背骨に悪影響を与えかねない柔らかい布団を避けることです。

柔らかい布団で眠るとどうなる?

小さい子供は骨の発達が未熟なため、柔らかい布団で眠ると体が沈んで背骨がゆがんでしまい、正常な発育を妨げる可能性があります。足をM字型に開いて眠る赤ちゃんの場合、股関節脱臼につながることも。

また、柔らかすぎると寝返りがうちにくくなるため、眠りが浅くなるだけでなく、発育にも影響をおよぼします。さらに、赤ちゃんであれば、うつぶせになったときに体が布団に沈み込むことで呼吸ができなくなる恐れもあります。

これらを避けるためには、適度に反発する硬さのある布団を選びましょう。

体圧分散がおすすめ

布団を硬さだけで選ぶと、体の特定の部分だけに負担がかかってしまうことになります。

たとえば、仰向けに寝た場合、背中やお尻など出っ張っている部分だけで体を支えることになるため、圧力がそれらの部分だけに集中し、負担になってしまいます。そのため、体圧を分散する機能があるものを選ぶことも重要です。

一般的に体圧分散機能のある布団は表面が凹凸で、体を「面」ではなく「点」で支える構造となっています。そのため、体の凹凸に細かく対応し、圧力をバランス良く分散してくれるため、眠っている間の姿勢を正しく保つことができます。

また、1カ所に圧力がかかると血行が滞りますが、体圧が分散されていればその心配もありません。さらに、寝返りもうちやすく、寝ている間の発育を促します。

櫻道ふとん店の「腰いい寝リッチ」は、この体圧分散機能にくわえ、硬さが選べるのが特徴です。硬さは、やわらかめ・普通・硬めの3種類。

体が小さい子供には「やわらかめ」を選ぶとよいでしょう。「やわらかめ」とはいっても、JIS規格の「硬め=100ニュートン以上」より硬い200ニュートン以上の超高反発素材を使用しているため、体が沈みすぎることはありません。

さらに、表面の凹凸加工が通気性をよくするだけでなく、温泉綿を使うことによる遠赤外線効果で冬場の冷えを防ぎます。汗をかきやすい、寝相が悪いという子供に最適といえるでしょう。

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まとめ

子供は大人よりも睡眠を必要としていて、布団の上で過ごす時間も長いものです。睡眠は活発に働く脳や体を休め、成長ホルモンの分泌を促す大事な生活習慣。質の良い睡眠は布団によって左右されるため、子供にぴったりの子供用布団を選んであげましょう。

体のサイズだけでなく、各家庭の就寝環境や生活スタイルにあわせて選ぶことも大事です。選び方に迷ったら、布団専門店にも相談してアドバイスを受けることをおすすめします。