健康的だけどズボラな人には向かない…?

有名人が「家ではいつも裸で寝ている」と発言しているのを見たり聞いたりしたことはありませんか? そのほうが体に良いという意見もしばしば見られますし、ある統計ではイギリス人の3割が裸で寝ているという話すらあるようです。たしかに裸で寝ると開放感があって気持ちよさそうですよね。

とはいえ、なかなか実際に自分でやってみるには勇気がいるものです。科学的に見た場合、裸で寝ることは本当に良いのでしょうか?

大きなメリットとしては、リラックス効果が挙げられます。どんなにゆったりとしたパジャマであっても、着ていれば必ず体のどこかが締め付けられるもの。しかし裸であれば全身が自由ですので、高いリラックス効果を得ることができます。よけいな摩擦がありませんから、寝返りの途中で目覚めてしまうリスクも減ります。

また、締め付けがなくなるということは、血行が良くなって自律神経のバランスが整えられるということでもあります。実は私たちが日ごろ悩まされている体調不良の数々は、ウイルスが原因のもの以外はほとんどが自律神経と密接な関係にあります。たとえば冷え症、肩こり、便秘、睡眠不足といった症状はすべて自律神経のバランスとかかわりがあるので、裸で寝ればこれらの症状の改善に期待がもてるでしょう。さらに、免疫力アップの効果もあるといわれています。

人によってですが、肩こりや睡眠不足などを改善できるかもしれない、理想的な敷布団をおすすめします。詳細は『健康を維持できる!敷布団の選び方〜お悩み別の選択術』をご覧ください。

このように、裸で寝ることはメリットだらけのように思えます。しかし一方で、大きなデメリットもあります。

まずはなんといっても、風邪を引きやすいということ。暖かい季節であればまだしも、秋から冬にかけてはどうしても寒いですから、裸で寝ると体調を崩しやすくなります。服を着ないぶん何枚かよぶんに毛布等をかけるよう気をつけましょう。

衛生面での不安もあります。人間は寝ているあいだ、コップ1杯分もの汗をかくといわれています。パジャマを着ていれば汗を吸収してくれますが、裸で寝ているとその汗がすべてシーツや掛け布団に染みついてしまうわけです。さらに汗以外にも、ふつうに生活しているだけで私たちは毛穴から皮脂や角質、さまざまな体液を分泌しています。そうした汚れが全部こびりついた寝具で寝るのでは、まったく衛生的ではないですよね。おまけに、ダニや細菌はそうした環境が大好きなので、どんどん増えていってしまいます。

裸で寝ることはたしかに健康的ですが、そのぶん注意することもたくさんあります。裸で寝たいのであれば、これまでよりも頻繁にシーツや布団を洗濯しなければなりません。もしそれが面倒なら、今までどおり服を着て寝たほうが無難ではないでしょうか。