家庭でも取り除ける? 布団の黄ばみの原因と対策

同じ布団を長く使っていると、誰もが悩まされるのが黄ばみの問題です。とくに男性や子供が使用している布団の場合は、日ごろから丁寧なケアを心がけていてもなかなか黄ばみを防ぐことは難しいのではないでしょうか。

この黄ばみの原因は、汗と皮脂です。私たちは寝ているあいだに大量の汗をかき、それと一緒に皮脂も分泌しています。ふつうに寝ているだけでも、寝具に汗や皮脂が付着するのは当然だといえるでしょう。そうした汚れをそのまま放置していると、やがて酸化して変色し、繊維にこびりついたまま黄ばみとして定着してしまうわけです。

とくに皮脂は繊維の隙間もすり抜けますから、こまめにシーツを交換したとしても布団を完璧に守ることはできません。長いあいだ布団を使っていれば知らず知らずのうちに汗や皮脂が蓄積していきますので、ある程度の黄ばみは仕方がないのかもしれません。

では、黄ばんでしまった布団をきれいな状態に戻す方法は存在しないでしょうか? そんなことはありません。丸洗いできる布団であれば、一般家庭でも黄ばみを取り除くことは充分に可能です。

具体的な手順としては、まず40℃前後のぬるま湯に酸素系漂白剤を溶かします。そこに布団を1~2時間ほど漬け置きし、それからふつうに洗濯機で洗えば、多くの黄ばみは驚くほど落ちます。このとき気をつけたいのは、すすぎをしっかりと行うという点。実は洗剤のすすぎ残しも黄ばみの原因となりますので、念には念を入れてすすぎを繰り返すとよいでしょう。

なお、素材と洗剤との相性を見きわめないと布団を傷める可能性がありますので、事前に洗濯表示をチェックすることは必ず忘れないようにしましょう。酸素系漂白剤の使用がNGの場合は、洗濯用洗剤で漬け置きをしても一定の効果は得られます。

その他にも、布団の素材やお手入れの仕方によってある程度汚れを防ぐことは可能です。詳細は『知っていますか?敷布団の手入れ方法』をご覧ください。

ただし、上の方法で落ちない黄ばみについては、残念ながら家庭で対処できる方法はほとんど残されていません。重曹を使う方法もあるにはありますが、生地への刺激がとても強いため、「穴が空いても構わない」「色落ちしても構わない」という覚悟がある場合のみの最終手段となります。大事な布団の場合にはおすすめできません。

なるべくであれば、布団の黄ばみはできたあとから対処を考えるのではなく、厚手の敷きパッドを使ったり通気をよくしたりするなど、日ごろの予防策を徹底することのほうが重要です。