睡眠の質と温度の関係 羽毛布団は「暖かさ」で選ぶ

羽毛布団は冬の定番アイテムです。羽毛ならではの暖かさとフワフワ感は、寒く長い冬の夜を快適に過ごすための素晴らしい味方となってくれるでしょう。ぜひとも1人1枚は用意しておきたい寝具だといえます。

しかし、選び方が難しいのもまた羽毛布団の特徴です。品質はあまりにもピンキリですし、価格も上を見ればきりがありません。こだわろうとすればどこまでもこだわることのできる寝具だけに、初心者には選択肢が多すぎてかえって迷うことも多いのではないでしょうか。

そこで今回のコラムでは、あえて「暖かさ」だけにフォーカスして、実用的な羽毛布団の選び方をピンポイントで解説いたします。

暖かい布団で眠りたい!羽毛布団の賢い選び方

羽毛の量(ダウンパワー)の目安

羽毛布団の商品説明には、サイズや産地などとともに羽毛の量についても記述があるはずです。しかし具体的な量を知ったところで、初心者にはそれが多いのか少ないのか判断しづらいのが実情でしょう。
一般的に、羽毛布団のダウンパワーは以下の重量が適正だとされています。

  1. ・シングル: 1.1~1.3kg
  2. ・セミダブル: 1.4~1.5kg
  3. ・ダブル: 1.6~1.7kg

なお、「多ければ多いほどいい」と考える人もいるかもしれませんが、これは間違いです。適正量以上の羽毛が入っていると重くて快眠の妨げになったり、かえって体に負担をかけることにもなりかねません。快適な睡眠を得るためには、上記の目安を意識して選ぶようにしましょう。

布団の中の温度と睡眠の関係

では、どうして上記の数値が適正だと考えられているのでしょうか? 答えは睡眠の質と温度の関係にあります。
ある研究によると、私たちの体は32~33℃という温度の環境に置かれることで最も質の高い睡眠をとりやすくなるのだそうです。これ以上寒くても暑くても、夜中に何度も目覚めてしまいやすくなります。
32~33℃というと暑すぎるように感じる人もいるかもしれませんが、これは気温ではなくあくまでも布団の中の温度です。私たちの体温はだいたい35~37℃の範囲内ですから、自分の熱を閉じ込めてあげれば簡単に30℃程度まで温度は上がります。
問題は、冬は室温が寒いという点です。熱が逃げていきやすいので、布団の中を32~33℃にキープするのは至難の業です。そこで役立ってくれるのが、上記のダウンパワーの適正値なのです。
適正範囲内の羽毛布団をかけて眠ると、布団の中の温度はちょうど32~33℃前後になります。つまり上記の適正値は、ただ暖かいだけでなく、睡眠の質をも向上させてくれる基準値なのだといえます。
平熱の高さや体質などによって若干の個人差はあるでしょうが、冬に快適に眠るためにはおおよそ1.2~1.6kg前後の羽毛布団を選ぶようにするとよいでしょう。

なお、羽毛布団を購入した後はこまめなお手入れが必要になります。上記でもご説明している通り、品質はピンキリで、かつ季節ごとに洗濯や収納なども考えないといけません。初めて購入された方、羽毛布団のケアの仕方が分からない方は、下記をご参考にしてみてください。

また、冬の厳しい寒さを乗り切るために「暖かい寝具の組み合わせ」、「良質な睡眠を得るための布団の使い方のコツ」なども併せてご紹介しておきます。詳細は『厳しい冬には良質な暖かい布団が必要』をご覧ください。