日頃のお手入れで寿命は倍以上に 布団を長く使うための方法

布団の寿命がどれくらいか、考えたことのある人は少ないかもしれません。品質や使用環境にもよりますが、実は何の気なしに使用する場合には3~5年程度が限界だといわれています。想像以上に短いと感じた人が多いのではないでしょうか。

おそらく世の中のほとんどの人は、そんなに短いスパンで布団を買い換えることはしていないはずです。布団は決して安いものではありませんから、できるだけ長く使いたいと考えるのは当然のことでしょう。実のところ、日頃から丁寧なお手入れを欠かさないようにしていれば、布団の寿命は倍以上に伸ばすことが可能です。

それでは、具体的にはどのような手入れをすればよいのでしょうか?

まずはじめに、布団の寿命というのがどういう状態のことなのかを押さえておきましょう。もし穴が空いて中の綿が飛び出しているとしたら、その布団はもうとっくに寿命を過ぎています。一般的には、布団が固くなってボリューム感がなくなったら買い換え時だとされています。体感としては、寝返りが多くなったころが寿命だと考えてよいでしょう。

このように布団が固くなってしまう理由は、長く同じ場所ばかりに体重がかかってしまうためです。私たちは寝ているあいだに大量の汗や皮脂を分泌していますから、その湿気や脂分はどんどん繊維に絡みついていくことになります。すると本来やわらかかったはずの繊維がくっついて固くなってしまい、布団ならではの弾力が失われてしまうというわけです。また、雑菌やカビなどは湿気と脂分が大好きなので、黄ばみやシミができやすくもなります。

ですから布団を長く使うには、日頃からこまめに天日干しをすることが大切です。固くなる前に乾燥させることができれば、湿気の影響はかなり小さくすることができるからです。皮脂についても、湿気と合わさることでよけいにしつこくなる性質を持っていますので、乾燥させるだけで随分と寿命は変わってくるでしょう。

天日干しも正しい方法を知っていれば、湿気やダニを完全除去することができます。詳細は『まとめ〜布団の天日干しで衛生的に!』をご覧ください。

なお天日干しの際にも、さら細かい部分にこだわることでより布団の寿命を伸ばすことが可能になります。ひとつは、時間帯を気にすることです。早朝や夕方以降は大気の湿度が高いため、午前10時から午後3時ぐらいのあいだに干すようにするとベストです。また、干すときに黒い布で布団を覆うという裏技もあります。こうすることで熱の吸収率が高くなるため、殺菌効果に期待ができます。

そして布団カバーやシーツもこまめに洗いましょう。汗や皮脂は生地を通り抜けて下まで沁みてしまいますから、同じカバーやシーツを何日も使い続けるというのはいたずらに布団にダメージを与えるだけになります。湿気と脂分から少しでも布団を守ってあげれば、寿命を伸ばすことに繋がるはずです。