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掛け布団の中で人気抜群の羽毛布団
掛け布団の素材としてもっとも人気を集めているのが、羽毛布団でしょう。ただ、人気素材なので機能面や価格はピンキリ。購入に際しては正しい選び方を知っておくことが必要です。
ここでは、羽毛掛け布団の基礎知識、選び方、羽毛布団のメリット・デメリットなどをまとめましたので、これから購入を考えている方は参考に、あなたに合った羽毛掛け布団を探してみてください。
羽毛掛け布団の特長と賢い選び方
羽毛布団が持つ最大の特長は、なんと言っても保温性に優れていることです。寒さの厳しい冬でも羽毛布団1枚の温かさで快適に眠れますよね。羽毛布団に使われる羽毛は空気をたくさん含む性質があり、寝る時に人の発する熱(体温)が羽毛に伝わって、布団の中の空気が温められるしくみです。
ダウンの量で決まる羽毛布団と羽根布団
羽毛掛け布団を選ぶ上で、必ず知っていただきたいのが”羽毛布団”と”羽根布団”の違いです。
一般的に羽毛布団は、ダウン(綿羽)とフェザー(小羽根)を混合したものが使われます。ダウンを入れる割合(50%以上か未満)によって羽毛布団か羽根布団に区別されることを、意外とご存じない方がいるのではないでしょうか。
- 羽毛布団:ダウンの割合が多く、フェザーが50%以下になります。
- 羽根布団:ダウンの割合が50%以下で、フェザーの割合が多い。
また、よく「ダウンの量で温かさが決まるんじゃないの?」と聞いたことがあると思います。結論から言いますと量だけで決められません。量が多くても掛け布団として重くなりますし、品質の悪いダウンであれば保温性を保つことはできないでしょう。ダウンは鳥の種類や産地、羽毛の加工方法、布団生地の素材、キルティングなど、製品として完成するまでに様々なポイントはたくさんあります。
ダウンとフェザーの違いは?
羽毛布団に使われる羽毛は主にアヒルやガチョウなどの水鳥の羽が使用され、ダウンとフェザーは水鳥の部位を指します。
- ・ダウン(羽毛)
- 水鳥の胸辺りの羽毛で、タンポポの綿毛のようにふわふわしています。ダウンボール(ボール状)で空気を含みやすく、軽くて保温効果が高い。ダウンボールが大きいと保温性も高くなります。
- ・フェザー(羽根)
- 芯と毛で構成された普通の羽根です。真ん中に硬い羽根軸があり、弾力性・保温性もほとんどないので、枕やクッションに使われます。羽の長さ6.5cm以上をフェザー、6.5cm未満をスモールフェザーといい、羽毛布団に含まれるフェザーはスモールフェザーになります。ダウンと比べると保温性は劣りますが通気性はいいですね。
ちなみに、アヒル(ダック)とガチョウ(グース)の違いも保温性にあります。ガチョウの方が体が大きい分、ダウンボールも大きく、温かい空気を含みやすいのです。体が大きいから→羽毛が大きい→保温性が高い、と覚えておきましょう。
羽毛布団のメリット・デメリット
それでは、羽毛掛け布団の優れた面、劣った面をそれぞれ確認していくことにしましょう。素材の特性を正しく知ることが、寝具選びの基本です。
- 1.「あったかい!」保温性が高いので冬に活用(メリット)
- 羽毛布団は、羽毛の隙間に大量の空気を含んでいるため、空気層が断熱材の役割を果たしてくれるのが特徴。保温性が非常に高く、寒い冬でもある程度、羽毛掛け布団だけでしのぐことが可能です。また、羽毛は吸湿性、放湿性、透湿性(※)の3点を備えているため、
- 汗をかいても中に水分がこもらずふんわり
- ドレープ性に優れているので体のラインになじみやすい
- 熱が逃げにくく寝床内気象(温度・湿度)一定
など、大変優れた寝具と言えますね。
※中に溜まった水蒸気を繊維の間から外に出す性能のこと
ただ、保温力は羽毛の品質に左右されるため、廉価な普及品では毛布がないと寒さを感じることもあるので選ぶ際はご注意ください。
そして上記で触れている寝床内気象。これが睡眠の質と非常に重要な関りを持っていますのでご紹介しましょう。『羽毛布団は「暖かさ」で選ぶ』をご覧ください。
以上のように、軽くて保温力が高い羽毛布団ですが、価格と品質が比例するため、あまり安い廉価品に手を出すと失敗することも…。購入時は、長く使っていける品質かどうかを入念に確認する必要があるといえるでしょう。
もし、ほぼ同じ品質の羽毛布団で迷った場合は方法が2つあります。1つは、ダウンパワーの数値で判断する。2つ目は、四つ折りにして厚みを比べる。より厚みが大きいものが空気をたくさん含んだ保温性の高い布団になります。実物を触れる状態で比較する際には、ぜひこの方法を試してみてください。
なお、布団選びで迷った時は、他の素材と比較するのが良いかもしれません。保温性と軽量を兼ね揃えた素材を見つけることは難しいですが、大事なのは自分の体に合うかどうか、寝心地が良いかどうかです。今まさに布団選びで迷っている方は『掛け布団の種類を解説!あなたにおすすめする理想の素材』をご参考にしてみてください。
羽毛布団のお手入れ方法と洗濯の仕方
羽毛布団はメンテナンスが簡単なことも特長ですね。前項の『羽毛布団のメリット・デメリット』でも触れているように、放湿性に優れているため中に湿気をため込むことはありません。なので、頻繁に干す必要がなく、干すとしても月に1~2回程度にしましょう。特に、良質な羽毛布団であれば部屋の風通しをよくするだけで十分です。新品の羽毛は洗浄と熱乾燥処理を行い、ゴミ除去や殺菌が徹底されているので、ダニが入ることはほぼありません。布団を包む生地も羽毛が吹き出さないように加工され、ダニが生地を通り抜けることができない構造になっていることが理由です。
なお、羽毛布団の天日干しの仕方について、もう少し詳しいやり方や正しい知識を知りたい方は『意外と難しくない、羽毛布団の正しいお手入れ方法』をご覧ください。
また、羽毛布団は耐久性も高いため、丁寧に使用すれば10年以上も使い続けることができますね。ひどく汚れたり、形が戻りにくい時はふとんの打ち直しやクリーニングの利用をおすすめします。これを続ければさらに長期間使い続けることも可能です。
洗濯の仕方
ここでいう洗濯は、主に羽毛布団を包むカバーですね。外側のカバーは汗・皮脂が付いているためこまめに洗ってください。羽毛布団自体は湿気を放湿させるため、部屋に広げておけば良いでしょう。
では、「もし羽毛布団自体が汚れてしまった時は、どうやって洗濯をすればいいの?」と聞きたい方もいると思います。洗濯表示により、自宅での洗える場合、専門店に頼んだ方がいい場合など、それぞれの状況に合わせた”やり方”の情報を集めてみましたので、下記のまとめ記事よりご確認ください。
<羽毛布団の正しい洗濯の仕方に関する記事>
【まとめ】冬場は保温力抜群の羽毛掛け布団がおすすめ
いかがでしたでしょうか。羽毛掛け布団の基礎知識や選び方、使い方のコツなどで保温性を高くすることはできますが、敷布団との組み合わせでより保温力が上がることも考えられます。寒い季節はもちろん、一年を通して快眠するためには、敷き布団を見直した方が良い場合もあると思います。その理由については『あなたにおすすめする敷き布団の選び方』をご覧ください。いろんな素材を見て、触れて、あなたに合う布団を探してみてください。