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睡眠と体温の関係を考える
なかなか寝付けない不眠気味の方、眠っても体調が良くならない方…など睡眠の質が落ちている方は多くいます。そこで、こちらでは睡眠の質を向上するために知っておきたい「睡眠と体温の関係」について解説します。
より良い睡眠を手に入れるために、どのような習慣を心がけるべきなのか…という基本を熟知していれば、あなたの睡眠は大きく変わっていくはずです。
表面体温と深部体温
まず、体温には表面体温と深部体温の2種類が存在することを知っておきましょう。体温計で計測することができるのは身体の浅い部分の温度、いわゆる表面体温です。この表面体温が上昇すると、熱が外に発散されやすくなり、身体の奥深くの温度、深部体温は低下しやすくなります。そして、この深部体温は覚醒度との関連が深く、深部体温が下がるほど身体は眠りへと誘われていくのです。
要するに、熟睡してリフレッシュするためには、表面体温を上昇させて熱を発散させ、寝るまでの間に深部体温を下げておくことが必要になるのです。
深部体温を下げて良質な睡眠を得る!
もし、深部体温が下がりきっていないと、夜中に目が覚めてしまう確率が上がるなど、睡眠の質が有意に低下してしまいます。良質な眠りのためには、何としても、深部体温を上手にコントロールしなければなりません。
深部体温を下げる、という言葉は誤解されやすいのですが、間違っても身体を冷やしてはいけません。身体の表面を冷やすと、人の身体は、これ以上、熱を奪われないように血管を収縮させて深部体温を維持しようとします。この状態では表面だけが冷えて深部体温は下がりません。結果、かえって眠りが浅くなり、良質な睡眠からは遠ざかる一方なのです。
適度な運動とぬるめのお風呂で深部体温を下げる!
そこで、オススメしたいのが夕方頃までに適度な運動をすること、そして眠る3時間前くらいに入浴すること、の2つです。
運動や入浴は血行を良くする作用があるので、一時的に表面体温が上昇します。その結果、深部の熱が表面に出てきやすくなり、結果的に熱の発散されやすくなります。いったんは体温が上昇しますが、時間経過とともに深部体温が下がりはじめ、良質な睡眠を得ることが可能になります。
ただし、寝る直前に激しい運動をする、熱いお風呂に入る…というのはNG。交感神経が刺激されて覚醒してしまい、かえって睡眠が妨げられてしまうからです。軽めの運動、ぬるめのお風呂にすること、さらにそれらの習慣は必ず睡眠の3時間以上前に行うことが良質な眠りのための体温コントロールのポイントです。
敷き布団にもこだわる〜良質な睡眠の秘訣!
また、床からの冷気が伝わってしまうような敷き布団もNG。寝付く前に身体の表面が冷やされてしまい、深部体温を維持しようと血管が収縮してしまいます。これも、眠りを浅くする大きな要因となってしまうでしょう。