突撃取材を敢行!櫻道ふとん店を一挙公開

櫻道ふとん店の外観やっぱり布団は、試してみないと分からないと言うことで、取材に行ってきました!

保温力の高いトルマリン綿、耐圧を分散して体の不調を防ぐ凹凸形状…といった強いこだわりをお持ちの櫻道ふとん店。独自の制作方法をより詳しく知るため、私たちは実際の店舗で突撃取材を行うことにしました。

突然の取材に、同ふとん店の林専務は多少驚いていましたが、快く迎えて頂いた私たちは、さっそく、トルマリンの遠赤外線効果、独自の凹凸構造についてお話を伺い、そこで驚くべき体験を目の当たりに…!もちろん実際に店舗で同じ体験をして頂くのが一番ですが、静岡県御殿場市はちょっと遠すぎる…という方々のために、その取材内容をこちらでお伝えさせて頂きます。

トルマリンの遠赤外線効果を実証

最初に見せて頂いたのは、トルマリンの赤外線効果を確かめる実験です。目の前に用意されたのは“熱湯に浸した陶器の皿”と“冷たいトルマリン製の板”でした。

まずは熱された陶器の上に製氷機から取り出したばかりの氷を置きます。もちろん、徐々に溶けては行くのですが、そこは空調の効いた室内。途中からは氷の冷たさのほうが優勢になったようで、むしろ陶器のほうが冷やされ、氷は半分以上も溶け残ったまま時間だけが過ぎていきました。
その次に林専務はニコニコしながら、やはり製氷機から取り出した氷をトルマリン板の上に載せます。

…すると、どうでしょう?熱されているわけでもない冷たい板に置いたはずの氷は、みるみるうちに溶けていきます。

完全に溶けて水になってしまうまで、恐らく1分もかからなかったでしょう。まるで手品のような顛末に、私は思わずトルマリン板を確認。
しかし、板は冷たい金属で、どこからも熱は感じられません。それにも関わらず、氷はあっという間に溶けてしまったのです。

呆気にとられる私たちに林専務は「これがトルマリンの遠赤外線効果なんです。触れたものを暖めてくれるので、布団に使えば、冬は暖かい。でも、素材そのものは熱くないから、夏場は涼しいんです」と解説。
トルマリンが氷を溶かすのは、電子レンジと同じ原理で、遠赤外線が水の分子を動かすことにより熱伝導率が上がるそうです。これが人間の身体でしたら、血行を良くしてくれるそうです。

冷たいトルマリン製の板
トルマリン実験
トルマリン実験結果

確かにこの素材を敷き布団の中綿に使えば、冬はポカポカ、夏はヒンヤリ…という理想の睡眠環境を実現してくれそうですね!

試し寝でビックリ!これまでにない寝心地を実現する凹凸形状

敷き布団を体験使用次に、私たちは林専務の勧めで、櫻道ふとん店が製造する敷き布団を体験使用させて頂くことになりました。見れば、布団屋さんの一角に畳を敷いた和室のようなスペースがあり、そこに試し寝するための敷き布団が並んでいます。

“ちょっと横になるだけで違いが分かるのだろうか…”と最初は半信半疑ながらも、実際に寝てみてビックリ!身体が沈み込まず、まるで宙に浮いているように楽だったのです。

普通の布団は、柔らかいといってもある程度、背中や腰に体重がかかってしまいますが、櫻道ふとん店の敷き布団は、自分の体重を忘れるくらいに身体が楽!計算しつくされた体圧分散によって、体重による負荷が特定部位に集中しないよう工夫されていることが、浮遊しているような寝心地の理由なんだそうです。

また、個人的には凹凸の突起が背中のツボを指圧してくれているように感じられたのもGoodでした。普段から座り仕事が多いせいか、背中や腰のハリがひどかったのですが、まるで整体に行った時のように、凝った部分をほぐしてくれるのです。凹凸形状にはこんな効果もあるんだなぁ…と納得してしまいました。

聞けば、専務自身も腰が悪かったそうで、自分の腰を良くしようと布団製作に没頭するうち、今の凹凸形状にたどり着いたとのこと。この形状にたどり着くため、開発期間に3年もかかり、制作業者さんに「本当に作る気がある?」とまで言われてしまったそうです。実際に体の不調に苦しまれていた技術者が、自分のために模索して作った物であれば、それは良いに決まっています!

林専務の開発秘話&今後の展望

敷き布団体験の後、私たちは林専務に理想の敷き布団を追求するまでの経緯についてお話を伺うことが出来ました。林専務によれば、ご自身の経験をきっかけとして始まった敷き布団開発は困難を極めたそうです。

トルマリン敷き布団開発秘話まず、開発当時の一般的な技術では綿の突起形状をミリ単位で調整することが難しく、まして全く同じ形状でコンスタントに生産するのはほとんど不可能だったのです。しかし、林専務は工場側と粘り強く交渉し、一切の妥協をすることなくミリ単位で、理想の凹凸を模索されました。その結果、開発開始から3年もの月日を経て、ようやく今の敷き布団の原型となる“理想の形状”を見いだすことに成功されました。終盤は工場側も、あまりに細かい注文の数々にお怒り気味だったそうです(笑)しかし、林専務の熱意に応える形で、ついに理想の形状が実現したわけですね。

次に問題になったのは中芯の堅さです。柔らか過ぎれば体重を支えきれずにへたってしまい、堅すぎれば寝心地が悪くなる…。そんな困難な調整の中で、林専務は信州大学との共同研究に着手。感覚だけでなく、科学的な分析を行って、もっとも優れた堅さを追求したのです。その甲斐あって、肌には柔らかく、しかし体重はしっかり支える絶妙の堅さを実現。突起部分は柔らかめにし、綿の根幹部分を固めに設定する2重構造をはじめ、非常に細やかな工夫が施されています。

櫻道ふとん店:林専務最後に今後の展望を伺うと、共同研究のパートナーである信州大学の吉田准教授と共に、3Dの体圧測定器を開発中という情報を教えて頂けました。

これは、3次元的に“身体のどの部分に体重の負荷がかかっているか”を調べる機械。人による体格差、姿勢の癖などを含め、その人がもっとも楽に寝られる堅さ、形状をオーダーメイドで調べるために用いられるのだそうです。

将来的には体圧測定器を備えた店舗を出店し、オーダーメイド敷き布団を市場展開するのが目標とのこと!

布団製作の国家検定一級技術士という経験ある職人でありながら、最新の素材を取り入れ、科学的な研究にも力を入れる…、まさに伝統的な技術とテクノロジーが融合した布団屋さんという感じですね。

林専務は最後に力強く「最終的には日本一のふとん屋を目指す!」「良い眠りでみんなに幸せになってもらいたい!」と熱く語ってくださいました。

ピックアップ>>>今回、取材にご協力いただいた「櫻道ふとん店」さんはコチラ