夢を見る時間にはたくさんの神秘が!
より良い眠りを考えるための一環として、寝ている時に見る“夢”について考えてみましょう。古くから世界各地に“夢のお告げ”や“夢占い”などの風習があり、夢は人智を超えた神秘として多くの人々の関心を集めてきました。
こちらでは、そんな夢を科学的見地から分析し、夢という現象が持っている意味について解説します。
夢を見ている時間はいつ?
睡眠中にずっと夢を見続けているわけではありません。一般的には、身体は眠っているものの脳が活動している状態(レム睡眠)の間に夢を見ると言われています。この間に、記憶の整理などが行われており、その作業の一環で夢を見ている、というような考えも多くあります。ただ、夢に関しては解明されていない部分が多く、深い眠り(ノンレム睡眠)の時にも夢は見ている、という説もあります。要するに、まだまだ分からないことのほうがずっと多いのです。
現状では、睡眠中、断続的に一晩につき数回の夢を見る、ということが判明しているのみとなります。
夢を見る理由は?
結論から言いますと、夢を見る理由・メカニズムについては未だ解明されていません。ただ、あくまでも科学的、医学的に結論が出ていないだけで、心理的な側面から夢の意義について考える研究者は多くいます。
その代表的立場にあるのが、夢判断によって人の隠された心理状況を読み解こうとする精神分析学です。この学問を切り拓いたのはオーストリアの精神科医—ジークムント・フロイトでした。フロイトは、人の抑圧された願望が夢に現れると考えて、夢の内容を分析すれば人の潜在的意識に近づける、と考えたのです。
そして、この精神分析をさらに発展させたのがスイスの心理学者—カール・グスタフ・ユングでした。夢には人の無意識から発せられる象徴が現れると考え、全人類が共有するイメージが夢に出てくるという仮説を立てたのです。
このように、人間の意識、文化に関する様々な問いが夢の中に隠れていると考える学者は非常に多くいます。完全にメカニズムが解明される日がいつになるかは分かりませんが、夢という現象に何かしらの大きな意義があるのは間違いないでしょう。
より良い夢を見るために
せっかくなら悪夢にうなされるより、幸せな夢を見たいと誰もが思うでしょう。しかし、夢をコントロールして見たい夢を確実に見る方法は現在確立されていません。
しかし、少なくとも悪夢を見る確率を下げる方法はそれほど難しくありません。夢には現実の状況が反映されるため「溺れる夢で目を覚ましたら掛け布団が口にかかって息苦しくなっていた」とか「重いものの下敷きになる夢で目を覚ましたら、飼っている猫が身体に乗っていた」というようなケースが多くあるのです。要するに、睡眠環境が悪化していると、悪夢を見る可能性も高くなると言えます。
そこで、睡眠時に身体にかかる物理的負担を減少させることで、悪夢を見る確率を下げられる…という結論が導かれるのです。腰や肩が沈みこまない真っ直ぐな寝姿勢をキープし、さらに夏は涼しく、冬は暖かい環境を提供してくれる寝具を用いれば、少なくとも悪夢にうなされる夜は少なくなるでしょう。
まとめ〜良い夢は良い布団から生まれる!
以上のように、夢のメカニズムはまだまだ不明な点が多くなっていますが、その一方で、現実の睡眠環境が反映されることも多々あることが分かっており、快適な睡眠環境にすることで気分の悪い夢を見る確率が少なくなる可能性があると言えます。